






旧北国街道沿いに代々続く医院の世代交代による建て替え計画です。
既存医院が開業しながら同じ敷地内で新築工事を進めるということで、
新築のレイアウト可能な範囲に制約がありました。
先行して建築可能な部分に新築医院を建て、旧医院の位置を新たな駐車場に整備する計画。
計画にあたり医院長からの希望は、如何にも新しくできた印象を与えるものではなく
以前からそこに存在していたような建物、街並みに溶け込むような
和風の落ち着いたものがいい、というものでした。
このあたりは旧街道沿いということもあり、歴史のある街並みも残っており
瓦屋根の日本家屋や土蔵なども多くの残されてます。
土蔵はシックイ塗ではなく土塗のままの物も多く、
その風合いに暖かさや懐かしさが感じられます。
この建築もいぶし銀の一文字瓦で葺いた屋根と外壁は土塗をイメージさせる左官塗で、
粗目なテクスチャーを出すような塗り方に。
待合は一部の吹抜けから差し込む光で明るさを確保しながら、
低く抑えた障子の開口により落ち着きのある空間づくりを心がけています。
また、診察室や処置室は北側に面し、安定した採光を採り込みながら
既存の和風庭園が望めるような空間構成となっています。
としだ内科 長野市/2009年
木造 1階建て
延べ床面積:171.42㎡(51.85坪)
施工:株式会社守谷商会